RTX1210+IPoE環境でVPNを構築する

RTX1210 network

今日は一工夫必要なIPoE環境のVPN構築について書きます。

構築環境

  • プロバイダ  OCN IPoE(動的IP契約)
  • HGW      RT-500KI
  • ひかり電話  あり
  • VPNサーバー 宅内に構築したOpenVPNサーバー

IPoE環境でIPv4通信を行う技術(IPv4 over IPv6)はいくつかあって、今回の記事ではMAP-E(バーチャルコネクト)という技術が前提となります。

また、VPNサーバーはルーターではなく宅内に用意したVPNサーバーが前提です。VPNサーバー構築については過去記事をご参照ください。

なお、以前ご紹介したとおりLAN側の構成はこんな感じです。

LAN

IPoEでVPN構築(またはポート開放)が難しい理由

PPPoEではルーターに割り当てられたWAN側IPv4アドレスだけで通信先を特定することが可能でした。しかし、IPoEは複数のユーザーで1つのIPv4アドレスを共有するため、IPアドレスだけで通信先を特定することができません(IPv4アドレスの枯渇問題を思えばこの仕組みは合理的ではあります)。

IPアドレスを共有するということはポートも共有することになるため、自由にポートを開放することができなくなってしまったのでした。

ではどうする?使えるポートもあります

しかし、一切ダメかというとそうではありません(注:DS-Liteは不可です)。利用できるポートはRTX1210で調べることができます。「管理」→「保守」→「コマンドの実行」で下記コマンドを入力します。

show nat descriptor address

「実行」をクリックすると結果が表示されます。

# show nat descriptor address
NAT/IPマスカレード 動作タイプ : 2
参照NATディスクリプタ : 20000, 適用インタフェース : TUNNEL[1](1)
Masqueradeテーブル
    外側アドレス: map-e/aaa.bbb.ccc.ddd
    ポート範囲: ここに利用できるポートが列挙されます
        例)10000-12000, 13500-14000

ここの「外側アドレス」が現在WAN側に割り当てられているIPv4アドレスで、その下「ポート範囲」が利用できるポートです。つまり、この例ではポート 10000は開放可能ということになりますので、OpenVPNのプロトコルにUDPを指定している場合は


  • RTX1210のNAT設定で内側アドレスにOpenVPNサーバーを指定(UDP 10000)
  • OpenVPNのserver.confでUDP 10000を指定
  • OpenVPNのクライアント設定(.ovpn)でaaa.bbb.ccc.ddd UDP 10000を指定

こうすることでVPN構築が可能です!

コメント